ハニカラ~Honey Collar~ 17話
ソルからの突然のキスに戸惑い、私の頭の中は真っ白い状態になった。
幾度となく押し付けられる唇の感覚に其処も頭の中も麻痺しそうだった。
(厭…なのに…なんで抵抗…)
チュッチュと軽やかに鳴るリップ音はやがて薄く開いた唇から差し込まれた舌同士が絡み擦れる卑猥な音へと変化して行った。
「ふ…ん、っ」
「はぁ…ん、んっ」
ソルから一方的に蹂躙される唇はもう完全に麻痺してされるがままになっていた。
八月一日宮からされたたった一回の不意打ちのキスよりももっと酷いキスをされているというのに不思議と嫌悪感が湧いてこないのが不思議だった。
「ふぁぁ…あっ、ソル…っ」
濃厚なキスの合間にされる息継ぎの度に何か云ってやりたかった。
でもすぐに唇は塞がれ、思い通りにはならなかった。
(もう…なんでこんなにキス、上手いの?!)
もはやソルから受けるキスに抵抗するという気持ちよりも、されているキスの気持ち良さに戸惑ってしまっている。
今までにキスはして来た。
でもこんな舌同士が擦れ合うような濃厚なキスはした事がない。
(本当のキスは…こんなに気持ちがいいものなの?!)
知らなかった世界の扉を開けてしまったドキドキ感と、其れを知ってしまった私がこれからどう変化して行くのかという少しの畏怖が今の私を縛り上げていた。
「……カラ」
ようやく唇を放したソルは上擦った声で私の名前を呼ぶ。
色っぽく高揚した顔に其の声は反則だ!
(ヤバい…ヤバいヤバい…)
ソルは私が感じた厭な予感通りの行動に移って行った。
ぎこちない指使いで私の着衣を乱し、徐に肌を曝け出した。
「ソ、ソルっ」
「…カラ…ちょうだい」
「ぇ」
「…カラの…全部…僕に」
「!」
(其れって…其れって)
キスされて、服を脱がされて、そして『全部頂戴』という言葉。
其れ等一連の流れをまとめて行き着く先の行為は──
「~~~なっ!」
「…いいよね、僕、カラの事が好き」
「な、なっ…」
「…好きだから…欲しい」
「っ!」
(なんだ、其の直球!)
お子様大人だと思っていた。
大人の男女が致すようないかがわしい行為とは無縁だと思っていた人畜無害のクローンが実はガッツリ肉食男子だった事に驚いた。
(完全に見誤った!)
これは私の判断ミスだった。
「…カラ」
「ふぁっ!」
私が高速で思考を巡らしている間にもソルは私の胸元を露わにし、其処に唇を寄せている。
其の初めてのゾクゾク感に正常な思考が吹き飛んでしまった。
「ん…カラ…美味しい…」
「はぁん…あ、あぁっ」
まるで飴玉を転がすように舐められる其の頂から流れ出す微弱な電流が私を厭らしいものへと変えるようだった。
(こんなの…ダメ、なのに)
まだ好きかどうかも解らない相手からの不埒な行為。
なのにどうして私は完全に其の行為を厭がれないのか。
何処も彼処もくずくずに溶け出して行きそうな今は何も考えられなかったのだった。
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